冷蔵冷凍車のダイナモ❄️
「冷蔵冷凍トラックのダイナモ」は、通常の発電機(オルタネーター)+冷凍機専用の発電装置の2系統が関係します。
つまり、冷凍車には“2種類のダイナモ”が存在する場合があるんです。
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❄️ 冷蔵・冷凍トラックのダイナモとは?
エンジンの回転を利用して、冷凍機を動かすための電力を作る発電機(ダイナモ)です。
冷凍車は車を動かすだけでなく、荷台の冷却装置(冷凍機)も常に電気を必要とします。
そのため、通常のトラックよりも電力需要が大きいのです。
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🚛 ダイナモの種類と役割
【ダイナモの種類】 【主な役割】 【備考】
車両用ダイナモ(オルタネーター) バッテリー充電、ライト・計器類・電装品の電源 普通のトラックにもある基本装備(24V)
冷凍機専用ダイナモ(サブダイナモ) 冷凍機のコンプレッサーやファンモーターを動かす 冷凍装置メーカー(サーモキング、菱重、デンソーなど)が装備
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✅ 主なメーカー・ブランド(一部)
以下、国内ブランド・国外ブランド含めて「冷凍車/保冷車用途でも実績がある」メーカーを挙げます。
【国内ブランド】
●DENSO(デンソー) — 保冷車/冷凍車用オルタネーターのリビルト品例あり。
●Mitsubishi Electric(三菱電機)/三菱重工業 — 冷凍車/産業機械用オルタネーター例あり。
●Hitachi Astemo(旧日立)/他一般電装系メーカー — オルタネーター部品取り扱い実績あり。
【海外/輸入ブランド・汎用部品含む】
●Valeo — 冷凍車・保冷車用代替オルタネーター製品が出回っています。
●ACDelco — 商用車・冷凍輸送用にも適用のあるオルタネーター。
その他、重機・商用トラック用発電機メーカー(Leece-Neville, Delco Remy など)も
冷凍車用途で使われることがあります。
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⚙️ 冷凍機専用ダイナモのしくみ
エンジンが回ると、
ベルトを介して「冷凍機用ダイナモ」が回転し、
冷凍装置(コンプレッサー、電磁クラッチ、送風ファンなど)へ電力を供給。
同時にバッテリーへの補助充電も行うことがあります。
冷凍機の種類によっては、
直結式(エンジン駆動型):トラックのエンジン回転で冷却。
電動式(外部電源併用):停車時は外部コンセントから100V/200V給電。
このように電源構成が異なります。
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🔋 なんで専用ダイナモが必要なの?
冷凍装置はかなりの電力を消費します。
たとえば冷凍機のファンやコンプレッサーは常時数百W〜1kW以上を使用。
そのため、普通の車両用ダイナモ(100Aクラス)だけでは電力が足りません。
→ そこで、「冷凍機専用の大容量ダイナモ」を追加搭載して、
エンジン稼働中でも十分な発電ができるようにしています。
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⚠️ 故障するとどうなる?
冷凍機専用ダイナモが壊れると…
冷凍機が停止(荷台の温度上昇)
「REF UNIT」や「ALTERNATOR」警告ランプ点灯
電圧不足でバッテリー上がり
外部電源を使わないと冷却できない
などのトラブルが起きます。
食品や医薬品輸送では致命的な影響になります。
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🧰 交換・整備の目安
【項目】 【内容】
寿命 約20〜30万km(通常ダイナモと同程度)
点検内容 ベルトの張り・異音、電圧(発電量)、配線の劣化
交換費用 車 種・メーカーによるが 10〜20万円台 が目安(工賃込み)










