冷凍機、サブエンジンと直結の違いは?
トラックの冷凍機には主に「サブエンジン式」と「直結式(エンジン直結式)」の2種類があります。
それぞれに仕組み・特徴・メリット/デメリットがあるので、以下で分かりやすく説明します。
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🚛 サブエンジン式冷凍機(独立エンジン式)
【仕組み】
トラックのメインエンジンとは別に、専用の小型エンジンが冷凍機に搭載されています。
このサブエンジンが冷凍装置を動かすため、車両のエンジンを止めても冷却が継続できます。
代表的なメーカーは、デンソー・サーマルキング・菱重(MITSUBISHI)などです。
【メリット】
アイドリング中や停車中でも冷却できる(長時間の保冷が可能)。
積み下ろしや待機中でも温度維持が安定。
メインエンジンに負担をかけない。(走行エンジンの寿命を延ばせる)
【デメリット】
構造が複雑で、整備費や燃料費がやや高い。
エンジンが2つあるため、重量が増える。
騒音がやや大きいことも。
【向いている用途】
長距離輸送・長時間停車が多い便。
冷凍食品(アイスクリームなど)・生鮮品・精密医薬品など、温度管理が厳しい輸送。
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🚚 直結式冷凍機(メインエンジン直結式)
【仕組み】
トラックのメインエンジンからベルトやコンプレッサーを通じて冷凍機を動かす方式。
エンジンの回転数に合わせて冷凍機が稼働します。
代表メーカーは、デンソー・サーマルキング・菱重などです。
【メリット】
サブエンジンが不要なため軽量でコストが安い。
燃費が良く、メンテナンス箇所も少ない。日常的な短距離配送では、経済的です。
騒音が少なく、構造がシンプル。
【デメリット】
エンジンを停止すると冷却も止まる。
アイドリングストップ車やハイブリッド車では使用しづらい。
長時間の停車時には庫内温度が上昇しやすい。フェリー輸送など走行していない時間が長いと冷却が維持できない。
【向いている用途】
短距離配送・コンビニ・スーパーなどのルート配送。
エンジン稼働時間が長く、停車が短い運行。
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⚖️ まとめ表
【項目】 【サブエンジン式】 【直結式】
動力源 専用エンジン 車両のメインエンジン
エンジン停止中の冷却 可能 不可
燃費・コスト 高め 安い
重量 重い 軽い
メンテナンス 複雑 簡単
用途 長距離・保冷重視 短距離・コスト重視










