冷凍機、サブエンジンと直結の違いは?

2025年11月01日

トラックの冷凍機には主に「サブエンジン式」と「直結式(エンジン直結式)」の2種類があります。
それぞれに仕組み・特徴・メリット/デメリットがあるので、以下で分かりやすく説明します。

17Sグレート水産仕様冷凍ウイング★ジョルダーキーストン

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🚛 サブエンジン式冷凍機(独立エンジン式)

【仕組み】
トラックのメインエンジンとは別に、専用の小型エンジンが冷凍機に搭載されています。
このサブエンジンが冷凍装置を動かすため、車両のエンジンを止めても冷却が継続できます。
代表的なメーカーは、デンソー・サーマルキング・菱重(MITSUBISHI)などです。

【メリット】
アイドリング中や停車中でも冷却できる(長時間の保冷が可能)。
積み下ろしや待機中でも温度維持が安定。
メインエンジンに負担をかけない。(走行エンジンの寿命を延ばせる)

【デメリット】
構造が複雑で、整備費や燃料費がやや高い。
エンジンが2つあるため、重量が増える。
騒音がやや大きいことも。

【向いている用途】
長距離輸送・長時間停車が多い便。
冷凍食品(アイスクリームなど)・生鮮品・精密医薬品など、温度管理が厳しい輸送。

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🚚 直結式冷凍機(メインエンジン直結式)
【仕組み】
トラックのメインエンジンからベルトやコンプレッサーを通じて冷凍機を動かす方式。
エンジンの回転数に合わせて冷凍機が稼働します。
代表メーカーは、デンソー・サーマルキング・菱重などです。

【メリット】
サブエンジンが不要なため軽量でコストが安い。 
燃費が良く、メンテナンス箇所も少ない。日常的な短距離配送では、経済的です。
騒音が少なく、構造がシンプル。

【デメリット】
エンジンを停止すると冷却も止まる。
アイドリングストップ車やハイブリッド車では使用しづらい。
長時間の停車時には庫内温度が上昇しやすい。フェリー輸送など走行していない時間が長いと冷却が維持できない。

【向いている用途】
短距離配送・コンビニ・スーパーなどのルート配送。
エンジン稼働時間が長く、停車が短い運行。

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⚖️ まとめ表

【項目】         【サブエンジン式】     【直結式】
動力源           専用エンジン          車両のメインエンジン
エンジン停止中の冷却    可能               不可
燃費・コスト        高め               安い
重量             重い                軽い
メンテナンス         複雑               簡単
用途             長距離・保冷重視        短距離・コスト重視